Q11.ステロイドって何のこと?
湿疹やアトピー性皮膚炎の治療に使う外用剤であるステロイド外用剤という名前は有名ですね.
ステロイドとはステロイド骨格を持つ化学物質のことで、本来、副腎という臓器(お腹の中の腎臓の隣にあります)から分泌されるホルモンの一種です.
よって、副腎皮質ホルモンとも、ステロイドホルモンとも呼ばれます.
ステロイドにはいくつか種類・作用があり、炎症を鎮めたり、糖分の代謝に影響したり、体内の水分・塩分バランスに作用したり、いろいろな働きを持っています.
そのステロイドの作用の内、炎症を鎮める作用を利用した外用剤がステロイド外用剤です.
薬として使う場合には、体内で作られる天然型ではなく、化学構造を一部変更した合成ステロイドを用います.
もちろん、体内で作られるステロイドホルモンも炎症を抑える働きをしますが、その力はかなり限られたものです.
ステロイド外用剤は外からより強力なステロイドを与えることにより、皮膚で起きている湿疹などの炎症をしっかりと鎮める作用をします.
ステロイド剤には内服薬もあるのですが、内服薬では内臓にも薬が行き渡り、皮膚以外の内臓や血液にも影響してしまいます.
ステロイド外用剤は皮膚で集中的に作用するわけで、皮膚の炎症を鎮めるためには、目的にあった薬といえます.