Q53.足の皮膚症状=水虫 ではない!
  
春から夏は足の皮膚症状で受診される患者さんが増える季節です.

足に症状が出ると、皆さんはまず、水虫(足白癬 : 白癬菌という真菌の感染症)を思い浮かべるようですね.
しかし、おおまかにいうと、大人の足の皮膚病のうち6〜7割りは水虫なのですが、残りのものは水虫ではありません.
子供さんの場合には水虫のことは、むしろまれです.

患者さんの中には、「ドラッグストアで水虫の薬(抗真菌剤)を買って塗ったけれどもよくならない」ということで受診される方がありますが、問題はもともとの症状が本当に水虫であったのかどうかということなのです.

水虫の診断は、皮膚症状の特徴と皮膚表面の擦過物の顕微鏡検査で白癬菌を証明することによります.
しかし、すでに抗真菌剤を塗ってから受診されると、顕微鏡検査の妨げになって、診断がしにくくなってしまいます.
皮膚病の種類によって、当然、薬の選び方が変わってきますので、正しい診断ののち治療することが大切です.

ということで症状が出たときには、素人判断で水虫の薬を塗ったりする前に皮膚科専門医を受診してくださいね.