Q58.足の症状=水虫??

足にかさかさ・ぶつぶつやかゆみの症状が出ると、水虫による
症状と思われる方が多いようです.
水虫の正式な病名は足白癬症といい、白癬菌という皮膚に
寄生するカビ(真菌)による足の皮膚病ですが、足の皮膚病が
すべて足白癬症というわけではありません.

おおざっぱにいうと、大人の足の皮膚病のうち7割くらいが
足白癬症で、残りの3割は他の皮膚病です.
子供さんの場合には、足白癬症以外の皮膚病の方が圧倒的に
多く、足白癬症のことはまれです.


足白癬症では、ぶつぶつタイプ(小水疱型)、皮むけタイプ
(汗疱型)、かさかさタイプ(角化型)、趾間びらん型、
爪白癬など、いろいろな症状の出方があり、足白癬症以外の
皮膚病でも同じような症状が見られますので、見た目だけでは
区別ができないことが少なくありません.

★ 水虫以外の足の皮膚病 ★

水虫(足白癬症)以外の足の皮膚病には、履物の中での蒸れや
摩擦の刺激による皮膚炎、圧迫・摩擦による角化症、履物・
靴下・ストッキングなどの素材・成分によるカブレ(湿疹)、
掌蹠膿疱症など、いろいろなものがあります.

★ 診断をきちんと受けてからから治療を開始しましょう ★

自己診断で水虫用の外用剤(抗真菌性外用剤)を使われる方が少なく
ありませんが、当然、足白癬症以外の皮膚病に抗真菌性外用剤を
使ってもよくなりませんし、むしろ外用剤が刺激をして症状を悪化させて
しまうこともまれではありません.

足白癬症の診断には、顕微鏡検査で白癬菌を確認することが重要です.
皮膚や爪の表面のかさつき部分をほんの少しとって顕微鏡で菌を調べる
検査で、診察室ですぐに、数分で、痛みもなくできます.

自己診断で治療する前に、皮膚科専門医を受診し、きちんと診断を
受けてから、適切な治療薬で治していくことがお勧めです.