Q.59 乾癬治療内服薬 オテズラ錠(一般名 アプレミラスト)について
オテズラ錠は乾癬治療の経口ホスホジエステラーゼ4阻害剤(PDE4阻害剤)です.
乾癬では、皮膚でのTNFα、IL-23、IL-17、INF-γといった炎症を生じさせるサイトカインの増加と、IL-10などの炎症を抑えるサイカインの減少が症状の発現に関与しています.
乾癬における上記のようなサイトカインの偏りを引き起こす細胞内代謝の変化には、免疫細胞内でのPDE4の過剰発現によるcAMPの減少があります.
オテズラはPDE4の働きを抑える作用で免疫細胞内のcAMPを増やし、炎症性サイトカインの抑制と抗炎症性サイトカインの増加を誘導することにより免疫調整作用を発揮し乾癬の症状の改善に役立つとえられています.
乾癬の症状をシャープに抑えることが期待できる薬剤としては、生物学的製剤(抗サイトカイン抗体製剤でレミケード、ヒュミラ、ステラーラ、コセンティクスなどの注射剤)や免疫抑制内服剤ネオーラルがありました.生物学的製剤やネオーラルは免疫を抑えて薬効を発揮するので効果が強力なのですが、その反面、感染症誘発などの副作用のリスクを心配しながら使用する必要があります.
オテズラは免疫抑制作用というより免疫調整作用によりやや緩徐に効果を発揮しますので、生物学的製剤やネオーラルに比べて、重篤な副作用のリスクの心配が少なく使用できることが特徴です.
☆☆ 有 効 性 ☆☆
1か月目あたりから効果が実感され、3〜4か月の治療で約1/3の方で「大変効いた」、約半分の方で「かなり効いた」という治療効果が期待されます.
☆☆ 副 作 用 ☆☆
下痢や悪心といった消化器系副作用を感じる方が1〜2割、頭痛などの神経症状の副作用を生じる方が1割弱あります.下痢の副作用を抑えることには木クレオソート製剤(正露丸)が有効という説があります.
☆☆ 薬 剤 費 ☆☆
14日分のオテズラ錠の薬剤費は、健康保険適応の三割負担で8170円になります.
○リンク
オテズラDAYS