Q14.皮膚をうるおわせているものは?

皮膚のうるおいは、皮膚(特に角質層)の水分量に左右されます.
皮膚は本来、自分自身の力で皮膚をうるおわせる働き・機能を持っていて、皮膚の水分量は主に3つの物質によって保たれます.

◆ 皮脂(皮脂膜) ◆
皮脂腺から分泌される油分のことで、中性脂肪、スクワレン、ワックスエステルを主成分とします.
皮脂腺は毛包(毛穴)にあり、皮脂は毛穴から分泌されます.
この皮脂が汗などと混じり合って皮膚の表面をおおい(皮脂膜)、皮膚からの水分の蒸発を減らします.

◆角質細胞間脂質◆
表皮細胞由来の脂質で、角質細胞と角質細胞のすきまを埋めて細胞どうしを接着し、皮膚の水分が蒸発するのを減らします.
また、それ自身が水分を保持する働きも持っています.
この角質細胞間脂質の代表はセラミドです.

◆天然保湿因子 Natural Moisturizing Factor ◆
Natural Moisturizing Factorは、角質層のなかにあって水分を抱え込み保持する働きをする物質です.
天然保湿因子の代表はアミノ酸、乳酸、尿素などです.

これらの3つのものが、皮膚の水分を保ち逃がさないようにして、うるおわせる働きをしています.

ワセリン系外用剤を皮膚に塗ることは、皮脂膜と同様に水分蒸発を減らす働き(エモリエント効果)をします.
水を抱え込み保持する作用(moisturizing効果)を持つ成分(ヘパリン類似物質や尿素など)を含む保湿クリームは、保湿因子と皮脂を補う働きといえます.