Q13.湿疹・皮膚炎の原因の見つけ方は?

適切な外用薬、内服薬を用いているにもかかわらず湿疹・皮膚炎の症状が長引く場合には、湿疹・皮膚炎の原因になっているものを見つけ出し、取り除くことも重要になります.
湿疹・皮膚炎の原因の主なものは、Q1Q2Q9Q12で示しましたが、その他、原因になりうるものはまだまだたくさんあります.
数多い湿疹・皮膚炎の原因になりうるものの中から、特定して行くには以下のような段取りで考えてゆきます.

◆ 発疹の状態・部位・経過から推測する ◆
植物にふれた後、急に手や腕を中心に赤いブツブツや小さい水ぶくれが出来た場合や、金属装身具(ピアス、ネックレスなど)をつけた部位に発疹が出た場合などでは、原因を特定するのは比較的簡単です.
女性の顔に症状が出て続く場合には、第一に化粧品を原因として疑うことになりますし、眼瞼の症状では、アイメークアップ化粧品や点眼薬を疑います.
体幹や四肢に広く出た症状の原因は、体を洗う石けんやボディーシャンプー、入浴剤、次いで衣類の洗剤や柔軟仕上げ剤の残留成分(蛍光増白剤など)を疑ったり、洗う時の強い摩擦を考えます.
このように、まず、症状の状態、部位、経過より原因を推測します.

◆ 疑わしい原因を取り除くことにより症状がよくなるかどうかみる ◆
たとえば、顔の湿疹・皮膚炎で、化粧品の使用をやめてみて、症状がよくなれば、使用を中止した化粧品の中に原因があると推測されます.
体幹・四肢の湿疹・皮膚炎の場合、 石けんを無香料・低アレルギー性石けんに変えて症状が改善すれば、石けんが原因であったということになります.
これは、原因として疑われたものと触れないようにして、症状がよくなるかどうかということから、それが真の原因であったか否か推定する方法です.

◆ パッチテストにより原因を特定する ◆
アトピー性皮膚炎のアレルゲンなどの一部のものは、血液検査でも原因を調べることができるのですが、湿疹・皮膚炎の原因の大部分は血液検査では特定できません.
原因を見つけ、特定するには、パッチテストという皮膚を使った検査法が有用です.
パッチテストはどこの医療施設でも受けられるわけではありませんので、パッチテストに詳しい皮膚科専門医がいるクリニックで相談されるとよいでしょう.

適切な治療薬を使いながら、原因との接触を減らすことが、湿疹・皮膚炎をよくする鍵になります.

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Q41.パッチテストの実際