Q47.帯状疱疹と水ぼうそうは同じウイルスによる病気って本当?
  
帯状疱疹は痛みを伴い、胸から背、腰から腹あるいは顔などの体の左右どちらか片側に小さい水ぶくれができる皮膚病で、ヘルペスウイルスが原因でおきるものです.
同じウイルスによって水ぼうそうも起こります.
このウイルスのことを水痘帯状疱疹ウイルスといいます.

その感染、発症の違いについて説明します.

子どもの頃に、水痘帯状疱疹ウイルスに初めて感染したときには、ウイルスが全身の皮膚に回り、熱を伴って体のあちこちに小さい水ぶくれがパラパラと生じます.
それを水ぼうそう(水痘)といいます.
初感染の症状である水痘はまわりの人から感染して発症します.

水痘は通常1〜2週間ほどで治りますが、その後、ウイルスの一部が体の中の神経節細胞に潜んで残ります.
つまり、水痘が治ったあともウイルスはしばらくの間、症状を起こさずに体の中に隠れているわけです(潜伏感染).

年月が経て、何かのきっかけで隠れ潜んでいたウイルスが目をさまし、増えて発病すると帯状疱疹になります.
ウイルスは潜んでいた神経細胞を伝わって皮膚に出てきますので、  神経症状である痛みと、その神経の分布にそって帯状に皮膚の    水ぶくれが生じます.
帯状疱疹は周りの人から感染して発症するのではなく、自分の体の中に潜んでいたウイルスが皮膚に出てきて起きるのです.

帯状疱疹はほとんどうつることはありませんが、水痘に感染したことのない人には水痘となって感染する可能性がりますので、帯状疱疹が治るまでの間は乳幼児の方との接触には注意が必要です.

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Q29.ヘルペスウイルスによる皮膚病について