Q16.アトピー性皮膚炎の体質改善食とは?

アトピー性皮膚炎を良くするための食事には、2つの方向があると考えます.

◆ 食事制限 ◆

主に乳幼児の方で卵、ミルク、大豆などに明らかなアレルギーを持っている場合に、アレルギーを起こす食材を食べないように食餌制限する方法です.
食餌制限は、栄養バランスを乱さないように代替食品も上手く使いながら行う必要がありますので、ドクターと十分相談された上で行うべきと考えます.
卵、ミルク、大豆などにアレルギーを持っている乳幼児の方の場合でも、年齢とともに食物アレルギーは軽減してゆき、いずれ食事制限が不要になることが大部分です.

◆ 体質改善食 ◆
アレルギーを和らげる働きを持つ食品を十分に摂ることにより、アトピー性皮膚炎の改善に役立てようという考え方です.
アレルギーを和らげる働きを持つ食品は概して健康によいといわれる食品で、健康的な食生活をするとアレルギー症状が軽減することが経験されます.
★不飽和脂肪酸バランスの改善
n-3系不飽和脂肪酸(αリノレン酸、EPA、DHAなど)の摂取の不足およびn-6系不飽和脂肪酸(リノール酸など)の過剰摂取は、アレルギーを悪くする背景になりえます.
n-3系不飽和脂肪酸を含む食品を十分に摂り、n-6系不飽和脂肪酸を含む食品の過剰摂取を改めることにより、アレルギー症状を軽くできる可能性があります.
★抗酸化食品をたくさん食べる.
活性酸素が体内で発生するとアレルギー症状が悪くなると考えられています.
抗酸化食品をたっぷり摂ることにより活性酸素の発生を減らすと、アレルギー症状を軽減できる可能性があります.
抗酸化作用を持つビタミンE・C、βカロチン、リコピン、ポリフェノール、カテキン、ゴマリグナン、クルクミン、アントシアニンなどを含む食品を多く摂ると良いと思われます.
★食物繊維や乳酸菌食品を十分にとる
繊維質の多い食品や乳酸菌を多く含む食品を十分に摂って、腸の状態を良くすると、アレルギーの改善につながる可能性があります.
★1日30品目以上の食品を食べる
「過ぎたるは及ばざるが如し」というように、体に良い食品がだからといってそれだけを過剰に摂りすぎても問題です.
いろいろな食材を使った、おいしくて栄養のバランスのとれた食事をとることが大切です.

体質改善食についてのもう少し具体的なことは改めて説明したいと思います.

○サイト内リンク
Q20.アトピー性皮膚炎の体質改善食.その1
Q26.便秘はアトピー性皮膚炎を悪くする?  
Q38.アトピー性皮膚炎の体質改善食.その2